周産期の歯科 お母さんとお子さんのために(その1) はじめに

はじめに

nurse_tehe赤ちゃんに恵まれ、母親になることは、女性にとって人生の大きな、かけがえのない出来事です。

しかし、重い循環器病をもつ女性には、妊娠・出産が自らの命を脅かす場合があります。また、普段の生活には何の支障もない程度の循環器病でも、思わぬ合併症が起きてしまうこともあります。中には妊娠してから循環器病と分かり、病気と向き合う方もいらっしゃいます。

初めての妊娠時には、つわりや胎動、大きなおなかを抱えての生活、そして分娩と、すべてが初体験で、多かれ少なかれ不安な気持ちにかられるものです。循環器病をもつ女性にとっては、なおのことです。

循環器病をもつ女性が妊娠・出産をするかどうかの人生の重大な選択をする際に、また、循環器病を持つ妊婦さんがどうすれば妊娠・出産・育児生活を安心・安全にすることができるかを考えるときに、このパンフレットの情報を参考にし、活用してください。

妊娠・出産に伴う心臓や血管の変化

女性にとって妊娠・出産はとてもうれしい出来事ですが、同時にからだの中では、おなかの中の赤ちゃんを育て出産するため、心臓や血管に大きな変化が起こります。どんな変化でしょうか。

(1)血液量が増えます

妊娠すると、からだを循環する血液量は徐々に増加します。特に血液中の液体成分である血漿(けっしょう)は、妊娠6週目頃から増え始め、20週後半には妊娠前より平均して50%増えます〈図1〉。これには次の三つの利点があります。

図1 循環血漿量、心拍数の変化

①妊娠の経過とともに、胎児を育む子宮は大きくなり、必要とする血液量が増え、新たな血管もできてきます。血液量が増えることで、新しくできた血管にも十分に血液が行きわたることになります。

②妊婦さんの腹部にある静脈は、大きくなっていく子宮によって圧迫されやすくなり、足などからの血液が心臓へ戻りにくくなります。血液量の増加によって、心臓へ戻る血液の量が減りにくいようにするのです。

③分娩時には平均で300~500ml(ミリ・リットル)ほど出血します。しかし、血液量が増えることで、このような急激な出血に耐えられるようになっています。

心臓を巡る血液量が劇的に変化するのが、分娩から産後数日間です。分娩時には出血で、一時的に血液量が減少しますが、その後数日間は、子宮が収縮し、子宮にプールされていた血液が心臓に戻ってくるため、再び血液量が増えます。こうして増加した血液量が正常に戻るまでに、出産後、約4~6週間かかるといわれています。

(2)心拍数(脈拍数)も増加

よりたくさんの血液を全身に送り出すために、心拍数(脈拍)も妊娠前に比べ約20%まで増加します。

また、妊娠中に脈が速かった反動で、産後には脈がゆっくりになる傾向があります。

(3)血圧は低く

妊娠中に増える女性ホルモンには血管を広げる作用があるため、妊娠初期から中期にかけて血圧は低下します。しかし、妊娠後期には血圧は妊娠前とほぼ同じか、もしくはやや高値となります。

(4)血液は固まりやすく

妊娠中は女性ホルモンの影響で、血液を固まらせる物質が増加します。これにより、流産や分娩などの出血時に出血が止まりやすくなる反面、血管内で血液が固まり(血栓)、血管を詰まらせるリスクが高まります。

(5)大動脈も変化

妊娠中は女性ホルモンの影響で、全身に血液を送る太い血管である大動脈の壁がもろくなります。

妊産婦と歯科疾患

ninpu_haraobi妊娠中はむし歯になりやすくなります。第一の原因はつわりや脱水による口腔内の乾燥などで歯ブラシだけでは清潔が維
持できなくなり、お口の中の衛生状態が悪化するからです。 また、お腹にいる胎児の分も食事を摂らなければなりませんので、間食回数の増加などがあげられます。歯口清掃の不良とホルモンの変化などで、妊娠性の歯肉炎が妊娠前期から上顎前歯部に好発することがあります。その他に、妊娠性エプーリス、口内炎、口角糜爛などの軟組織疾患も発症する場合もあります。これも口腔内乾燥(局所脱水)からくる自浄能力の低下です。

出典:南部歯科医師会 国立循環器病センター

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2016/08/31